雛人形はいつから出して飾ればいい？
雛祭りが終わったら早く雛人形をしまわないといけないと言うことは、日本中に広く知れ渡っています。
ですが雛人形はいつから出すのか、いつから出していいものなのかは、意外と知られていません。
中には毎年雛祭りの当日か前日に雛人形を出すけど、１日でしまわないといけないから慌ただしくて大変、と勘違いしている方もいます。
雛人形を飾り始めるタイミングを正しく知っていれば、雛祭りも余裕を持ったスケジュールが組めるので、雛人形はいつから出す物なのかを紹介していきます。
雛人形はいつから飾るものなのかですが、明確な決まりはありません。
ですが毎年この時期に出す家庭が多いという基準はあり、春になってから出すというのが基本です。
この春というのは気象的なものではなく、暦の上での春を指します。
具体的に言うと、豆を撒いて鬼を追い出し福を呼ぶ節分は、春になる前の季節を分ける行事であり、暦上で春になる前日に行う行事です。
そのため節分の翌日である２月４日からは、もう雛人形を出しても問題ない時期ということができます。
ただし暦上で春になった２月４日から出せると言っても、２月４日になってすぐ出すことはそれほど多くありません。多くの場合は、２月４日から雛祭り当日の３月３日までで、条件の合った都合や縁起の良い日に雛人形を出しています。
雛人形を出す基準として、六曜を見て何日にするか決めるという家庭が多いです。
カレンダーにも書かれていることも多い、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口が六曜になります。
六曜で雛人形を飾る日を決める場合、何をするにしても一番縁起のいい日と言われる大安か、時点でいい日と言われる友引を選ぶ家庭が多いでしょう。
より正確に六曜の知識があり、その縁起を重要視する文化のある家庭だと、友引を選ぶにしても友引の中で縁起の悪い時間帯である昼は避けて、朝か夜に雛人形を出すと決めている家庭もあります。
ただし現代では六曜について詳しく知らず、大雑把にしか捉えていない方も多いですし、そこまでは気にせず、大安か友引で都合のいい日に、という家庭が多いようです。
六曜以外のもう一つの基準としては、天気が挙げられます。
雛人形は雨の日に出すのは避け、よく晴れた日に出すという決め方です。
晴れている日の方が気分もよく縁起が良さそうというのも一つの理由ですが、実際の所はそれだけではなく、人形のコンディションも考えて、晴れた日が選ばれるようになったとも言われます。
雛人形を含む日本人形は、湿気に非常に弱くデリケートです。
２月は比較的空気の湿気が低い時期ではありますが、それでも流石に雨が降っていると湿気が高くなり、下手をすれば人形自体や衣装にカビが生えたり、シミや変色ができかねません。
そのため日本人形の天敵である湿気が少なく問題が起こりにくい、晴れの日を選んで雛人形を出す習慣が定着したと言う説です。
実際には雛人形を出した後に雨が降って湿気が強くなることもあるので、そこまで神経質になる必要もないかも知れませんが、縁起担ぎもあって、晴れた日にする家庭も少なからずあります。
また雛人形は２月４日以降なら問題ないとは言え、あまり遅すぎても慌ただしくなり風情がないなど問題もあるので、ある程度余裕を持って飾り始めるのが一般的です。
特に雛祭りの前日に出して１日で片付けるのは、葬式を連想して演技が非常に悪いとも言われます。
雛人形を飾り始めるタイムリミットとしては、立春から約２週間後にある雨水の日か、雛祭りの１週間前を目安にされていることが多いです。
それまでに間が悪く雛人形を飾るのに縁起がよく都合のいい日がなかった場合は、六曜や天気に関係なく、時間が確保できた日に雛人形を飾り付けます。
雛人形はいつから飾ればいいか迷うのなら、２月の４日を過ぎてからカレンダーを確認し、雛人形を出す時間的余裕のありそうな大安か友引の日を確認しましょう。
そしてその日が晴れていれば、その日に雛人形を出せば、縁起的に一切問題がないはずです。
雨が降っていたら次の大安か友引を待ち、運悪く晴れた大安や友引の日が来ないまま雨水の日や雛祭りの１週間前が近付いてきたら、妥協して最後の大安か友引に出すか、晴れの日に出せばいいでしょう。
ただし軽く触れたように、雛人形をいつから出すかという日程には、正確な決まりはありません。
雛人形が好きだから長く楽しみたいという家庭では、節分より前の１月中から雛人形を飾っていることもありますし、それも決して悪いことではないでしょう。
立春後の２月４日から、雛祭りの１週間ほど前までに飾るというのは、あくまでそうしている人が多いというだけに過ぎません。
流石にお正月の最中や、その前のクリスマスの時期に雛人形が飾ってあったら時期外れと思われるでしょうが、各ご家庭の事情や、雛祭りの主役である娘さん達の好みによって、立春より早く雛人形を出しても問題ないでしょう。
